単なる「寝に帰る街」からの脱却を象徴するのが、旧紀州街道沿いを中心に広がる古民家リノベーションの動きだ。自治体と民間のファンドが手を取り合い、空き家となった伝統的な長屋や蔵をクリエイター向けの工房や店舗として再生させる取り組みが花開いている。
週末になると、クラフトビールを提供するマイクロブルワリーや、オーガニック素材にこだわったベーカリーの前に長蛇の列ができる。かつて商人たちが行き交った歴史的空間に、最新のカルチャーと多様な人々が集うことで、独自のニューウェーブが生まれつつある。「古いものの価値を再解釈して活用する雰囲気が、この街には根付いている」と、昨年オープンしたデザイン事務所の代表は笑みをこぼす。