男性2人組のお笑いを語る上で欠かせないのが、「漫才師」と「コント師」による表現アプローチと支持層の違いです。
実力派漫才師に求められるのは、センターマイク1本の前で繰り広げられる「人間の魅力(人間力)」と「テンポの良い話術」です。フットボールアワー、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、笑い飯、銀シャリ、ミルクボーイといったM-1グランプリ歴代優勝コンビは、漫才そのものの技術はもちろん、二人の人間性やパーソナルな関係性そのものが笑いのフックとなっています。劇場に立ち続けながら、フリートーク主体のバラエティ番組やラジオ番組で長寿コンテンツを築き上げる傾向が顕著です。
対照的に、実力派コント師が支持される最大の要因は「緻密に構築された世界観」と「演技力・小道具のクリエイティビティ」です。東京03(3人組)、バイきんぐ、シソンヌ、さらば青春の光、ロングコートダディ、レインボーといったコント巧者たちは、日常の些細な違和感をエンターテインメントへと昇華させます。近年のコント師は、YouTubeなどの動画プラットフォームと極めて高い親和性を示しており、動画1本あたりの再生回数が数百万回に達するケースも珍しくありません。