現実に起きている気味の悪い事象は、当然ながらフィクションの世界にも強烈な影響を与えてきた。90年代に世界的な大ヒットを記録したドラマ『X-ファイル』では、FBI捜査官モルダーとスカリーが挑む代表的な未解決事件として、キャトルミューティレーションが頻繁に取り上げられた。陰謀論と地球外生命体のテーマを絡めたスリリングなストーリー展開は、この現象のイメージを大衆の記憶に深く刻み込んだ。
近年では、ジョーダン・ピール監督の映画『NOPE/ノープ』が、上空に潜む異形と牧場の家畜というモチーフを現代的な解釈で描き直し、世界的な話題を呼んだ。空に浮かぶ不気味な存在が動物を襲い、血の雨を降らせるショッキングな映像体験は、古くからのUFO伝承と家畜異常死の恐怖を見事に再構築している。現実の未解決事件が持つ不気味さが、時代のエンターテインメントを照射し続けている。