学名の「Dilophosaurus」は、古代ギリシャ語で「2つの隆起を持つトカゲ(2枚のトサカを持つトカゲ)」を意味します。その名の通り、頭頂部に沿って左右平行に並ぶ薄い半月状の骨質突起が最大の特徴です。では、ディロフォサウルス トサカの役割とは一体何だったのでしょうか。
長年の研究により、このトサカは獲物を攻撃する武器や外敵からの攻撃を防ぐ盾ではなく、視覚的なディスプレイ装置として機能していたことが判明しています。
トサカ自体は非常に薄い板状の骨で構成されており、内部にはハニカム状の繊細な空間が広がっていました。激しい物理的衝撃に耐えられる構造ではなかったため、直接ぶつけ合うような闘争に使われた可能性は極めて低いです。その代わり、表面には多数の血管が通った痕跡が確認されており、鮮やかな皮膚組織や角質で覆われていたと推測されます。
同種間での性的なアピール(求愛行動)、個体同士の優劣を誇示する威嚇、あるいは遠くからでも仲間を識別するための標識として活用されていたというのが、現代の古生物学における定説です。