本作の快進撃は、昨今の電子書籍業界におけるトレンドの変化を如実に物語っている。従来の王道な恋愛コメディといえば、甘酸っぱい日常劇や学園モノが主流だった。しかし、本作が提示したのは、人間ドラマのドロドロとした深層心理とシュールなユーモアを巧みにブレンドした全く新しいジャンルだ。
連載を手がける気鋭の漫画家は、登場人物の感情の機微を緻密な線画とセリフ回しで表現することに長けている。読者は単にクスッと笑えるだけでなく、次の展開が気になってページをめくる手を止められない。スマホ画面での読書体験に最適化されたコマ割りも、デジタル読者の心を掴んで離さない要因だ。