視覚芸術とSF・テクノロジーの歴史においても、画期的な転換点は鮮明に記録されている。スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』は、緻密な科学考証と特撮技術によって、それまでのB級映画的なSF表現を映画芸術の極致へと引き上げた。
その系譜を受け継ぎ、21世紀の映像表現に巨大な区切りを設けたのがジェームズ・キャメロン監督の『アバター』だ。独自の3Dカメラシステムを開発し、フルCGキャラクターの感情表現を極限まで高めた同作は、映画館の設備投資基準そのものを塗り替えた。両作品に共通するのは、自らテクノロジーを開拓し、表現の歴史に消せない境界線を引いた点にある。