「あの撮影現場は、正直言ってカオスそのものだったよ」
そう語って破顔するのは、本作のメガホンをとったブルース・マッカロック監督だ。カナダの伝説的コメディ劇団のメンバーとしても知られる彼が、当時の現場の裏側を独占取材で明かしてくれた。
現場には常に十数頭の犬たちが入り乱れ、NGテイクの山が築かれたという。俳優陣が真面目な長台詞を喋っている最中に、カメラの目の前で犬同士が遊び始めたり、急に横になって眠りこけたりするのは日常茶飯事。「脚本通りに進むことなんて一度もなかった」と監督は笑う。しかし、その即興性こそが、画面越しにも伝わる温かみと圧倒的なリアリティを生み出した。