20年近くにわたり世界中で語り継がれてきた本作には、設定変更や裏話に関するいくつかの誤解や都市伝説が存在します。ファクトチェックを踏まえて真相を整理します。
1. 当初は「全13話のミニシリーズ」で終了する予定だった
2005年の放送開始当初、米FOXネットワークは本作を1シーズン・全13エピソード完結のリミテッドシリーズとして企画していました。しかし第1話放送直後から全米で記録的な視聴率(週間視聴者数約1,000万人)を叩き出したため、急遽フルシーズン(全22話)への延長と続編制作が決定されたという経緯があります。初期シーズンに見られる一部の伏線の変遷や、シーズンを重ねるごとのスケール拡大は、この異例の制作体制変更が背景にあります。
2. ウエストモアランド=実在のハイジャック犯「D.B.クーパー」の真相
作中で500万ドルの現金を隠した伝説の囚人チャールズ・ウエストモアランドは、1971年にアメリカで実際に発生した未解決航空機ハイジャック事件の犯人「D.B.クーパー」として描かれています。ファンの間では「実話に基づいたストーリーなのか」という疑問が散見されますが、D.B.クーパー事件そのものは実在する未解決事件であるものの、ウエストモアランドという人物や500万ドルの隠し場所を巡る争奪戦は完全なフィクションです。現実のミステリーを巧みにドラマの鍵として落とし込んだ見事な脚本演出でした。
3. サラ・タンクレディの「生首事件」と奇跡の生還の舞台裏
シーズン3において、組織によって首を切断され死亡したとされたサラ・タンクレディ。しかしシーズン4で「あれは別人の遺体を使った組織の偽装工作だった」として生還を果たしました。この急展開の背景には、サラ役を演じたサラ・ウェイン・キャリーズの第一子妊娠・出産に伴う契約交渉の一時的難航がありました。ファンの間で巻き起こった「Save Sara(サラを救え)」という世界的な署名運動と熱烈な要望を受け、制作陣が彼女の復帰を正式決定したという、ファンコミュニティの熱量が脚本を動かした象徴的なエピソードです。