一見するとシンプルなケチャップ炒めに見えるが、一口口に運べばその概念はあっけなく覆される。最大の決定打は、極太の2.2ミリのスパゲッティだ。茹で上がった麺をすぐに使うのではなく、あらかじめ前日に茹で置きして一晩寝かせる。こうすることで麺が水分を均一に含み、あのもっちりとした独特の強いコシと弾力が生まれるのだ。
具材は玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、そしてハム。強火のフライパンでケチャップの酸味を極限まで飛ばし、コクと甘みを最大限に引き出す炒め技術は、熟練の職人技そのものだ。酸味が丸くなり、濃厚な旨味だけが太麺にしっかりと絡みつく。アルデンテとは無縁の、日本独自に進化を遂げた究極のソウルフードがここにある。