旨味の要となるのが、岡崎の伝統技術で造られる八丁味噌を贅沢に使用した特製ブレンド味噌だ。大豆と塩だけを原料に、木桶で二夏二冬以上の歳月をかけてじっくりと熟成された八丁味噌は、渋みと酸味、そして深いコクを備えている。老舗の秘伝調合によってブレンドされたつゆは、煮詰まるほどにコクが増し、深い味わいへと変化していく。
また、料理を支える「器」にも明確な理由がある。耐熱性に優れた専用の伊賀焼土鍋は、火から下ろした後も高い保温性を保ち、最後のひと口まで出来立ての熱々を約束する。興味深いのは、土鍋の蓋に空気穴が開いていない点だ。これは蓋を取り皿として使い、熱々の麺とスープを少しずつ移しながら味わうための伝統的な知恵である。冷めにくく、旨味を逃さない工夫が、ここにも息づいている。