室内楽には楽器の組み合わせに応じて多種多様なフォーマットが存在します。演奏者の人数によって「二重奏(デュオ)」から「九重奏(ノネット)」まで呼称が分かれており、その中でもクラシックの歴史において確立された代表的な編成一覧を紹介します。
1. 弦楽四重奏(String Quartet)
室内楽の王道であり、最も完成されたバランスを持つ編成です。第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4つの擦弦楽器で構成されます。人間の声域(ソプラノ・アルト・テノール・バス)に完全に対応しており、作曲家の真の実力が最も試される神聖な領域とされています。
2. ピアノ三重奏(Piano Trio)
ピアノ、ヴァイオリン、チェロによる編成です。打楽器的な立ち上がりと豊かな和音を誇るピアノに対し、持続音で感情を歌い上げる2台の弦楽器が交錯します。音量のバランスをとるのが非常に難しい反面、色彩感豊かで華麗なコンチェルトのようなスリルを味わえます。
3. 木管五重奏(Woodwind Quintet)
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの5本で構成されます(金管楽器であるホルンが含まれるのが特徴的です)。弦楽器のように均質な音色ではなく、発音原理が異なる5つの楽器が混ざり合うため、ユーモラスで変化に富んだ万華鏡のような響きが生まれます。
4. その他の主要な室内楽編成
弦楽四重奏にピアノを加えた「ピアノ五重奏(Piano Quintet)」はシューマンやブラームス、ドヴォルザークの名作で知られ、管弦楽に匹敵する重厚な響きを生みます。また、クラリネットと弦楽四重奏による「クラリネット五重奏」は、モーツァルトやブラームスが晩年に遺した至高の傑作群で名高く、独特の哀愁漂う音色で親しまれています。