社会的な厳罰化要求の高まりを受け、動物愛護管理法は幾度もの改正を重ねてきました。特に大きな転換点となったのが2019年の法改正(2020年6月施行)です。それまで「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」にとどまっていた殺傷罪の法定刑が、一気に「5年以下の懲役(現・拘禁刑)または500万円以下の罰金」へと引き上げられました。
この厳罰化の経緯を経て、司法の量刑判断にも劇的な変化が起きています。かつては初犯であればほぼ100%略式起訴による罰金刑や執行猶予付き判決で済んでいた事案に対し、計画性や残虐性が極めて高いケースでは初犯であっても実刑判決の事例が下される判例が積み上がっています。
警察庁がまとめる統計では、全国の警察が動物虐待事案として摘発する件数は年間150件〜200件前後に達し、高水準を維持しています。検察側も求刑において「生命軽視の態度は極めて悪質」と厳しく断罪する姿勢を明確にしており、司法現場の意識変革は着実に進展しています。