雨が降ったからといって旅を諦めるのは早計だ。濡れた花びらが放つしっとりとした質感は、晴天時には決して見られない妖艶な美しさを宿す。初夏を彩るネモフィラの一滴一滴の雨露、そして秋に向けて緑から赤へと劇的なグラデーションを描くコキアの深い色合い。それらはしとしとと降る雨の中でこそ、本来の生命力を際立たせる。
さらに雨の日は最大の障壁である混雑が一気に緩和される。静まり返った園内を雨音とともに歩く体験は、晴れの日には味わえない贅沢な時間。足元をレインブーツで固め、傘越しに花々を見下ろす散策ルートは、旅慣れた愛好家たちの密かな定番となっている。