同社の真価を測る上で見落としてはならないのが、創業期から貫かれている「持たざる経営(アセットライト戦略)」です。競合大手が広大な土地を自社取得または長期賃貸してコインパーキングを建設・機器設置する設備投資型であるのに対し、日本駐車場開発のビジネスモデルはオフィスビルや商業施設の「余剰駐車場」に着目した点に独自性があります。
都市部の大型ビルには、建築基準法などの附置義務によって作られたものの、稼働率が極めて低い地下駐車場が膨大に存在します。同社はビルオーナーから不稼働スペースを一括でサブリース(転貸借)し、自社のオペレーションとバレットパーキング(係員による入出庫代行)システムを導入して収益化します。ビルオーナーには確実な賃料収入を保証し、同社は設備の巨額投資を回避しながらマージンを抜く構造です。この仕組みが、景気後退期でも設備投資の重荷に苦しまない鉄壁のビジネス基盤を構築しました。
さらに注目すべきは、この「不稼働資産の再生ノウハウ」をレジャー産業へと横展開した点です。東証グロース上場子会社である日本スキー場開発(白馬八方尾根、栂池高原、竜王スキーパーク等)や、那須ハイランドパークを擁する日本テーマパーク開発の展開がその象徴です。スキー場や地方リゾートという、過去の過剰投資で老朽化・経営難に陥っていた拠点を買収し、グリーンシーズンのグランピング開発やインバウンド誘致によって「通年型リゾート」へと蘇らせました。安定した都市型パーキング事業が生み出す潤沢な現金を、季節変動はあるものの成長余力の大きい観光・リゾート再生に投入するレバレッジ構造が確立されています。