フォークリフトにおけるバックレストの装着は、単なる推奨事項ではなく労働安全衛生規則(安衛則)第151条の30によって明確に義務付けられています。条文では「事業者は、フォークリフトを用いて作業を行なうときは、当該フォークリフトにバックレストを備えなければならない」と規定されており、未装着での作業は明確な法令違反(安衛法違反)に該当します。
唯一の例外規定として「マストの後方に荷が落下することにより労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」という除外要件が存在します。しかし、これはパレットの荷高が極めて低く物理的に運転席側へ荷崩れしない特殊環境などに限定されており、一般的な物流現場や工場作業でこの例外が認められるケースはほぼありません。
「前が見えにくいから一時的に外した」という現場の独断であっても、労働基準監督署の立ち入り検査(臨検)で発覚すれば是正勧告の対象となります。万が一、取り外した状態で荷崩れによる人身事故が発生した場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金(労働安全衛生法第119条)をはじめ、安全配慮義務違反として巨額の損害賠償責任を問われることになります。