SNSのタイムラインを眺めていると、髪を二つに結んだ少年の写真や動画に無数の「いいね」がつく光景が珍しくなくなりました。男子ツインテール流行の理由を紐解くと、単なる一過性のバズにとどまらない、若年層の価値観の地殻変動が浮き彫りになります。
最大の推進力となっているのが、SNSにおける「記号消費」と「ビジュアルの脱ジェンダー化」です。TikTokやInstagramのリール動画では、最初の1〜2秒で視聴者の指を止める強烈なアイキャッチが求められます。本来は女性的な記号とされてきたツインテールを男性が纏うことで生まれるギャップは、アルゴリズムの波に乗るうえで極めて強力なフックとして機能しています。
さらに、学校行事における定番だった文化祭ツインテール男子女装の文脈も劇的に変化しました。以前のような「笑いを取るための悪ふざけ」ではなく、メイクやスキンケアを徹底的に研究し、女子生徒顔負けのハイクオリティな美しさを披露して学内の話題を独占するケースが後を絶ちません。都内の私立高校に通う男子生徒(17歳)は、学園祭での体験を次のように語ります。
「クラスの出し物でツインテールに挑戦したのですが、女子から『普通に自分より可愛い』『結び方を教えてほしい』と囲まれて驚きました。ウケ狙いではなく、どれだけ可愛く自分を魅せられるか全力でメイクやセットを研究したので、承認欲求が最高に満たされました」
このように、従来の男らしさという枠組みから解放され、「美しくありたい」「可愛い自分を表現したい」という欲求を素直に体現するジェンダーレス男子ヘアアレンジの一環として、ツインテールが選ばれているのです。