インターネット上の相談窓口や知恵袋、コミュニティサイトを調査すると、「こんなはずではなかった」「生活が完全にサモエド中心に縛られ、ノイローゼ寸前」という切実な吐露が散見されます。飼い主たちを精神的・体力的に追い詰める要因は、決して犬側の問題行動だけではありません。人間の生活スタイルとの致命的なミスマッチが原因です。
代表的な要因として挙げられるのが、サモエドを飼って後悔する理由の筆頭である「抜け毛の暴力的な量」と「底なしの体力」です。春と秋の換毛期には、毎日のブラッシングで大型のゴミ袋がいっぱいになるほどのアンダーコート(下毛)が抜け落ちます。室内の空気中を白い綿毛が常に舞い、黒い服を着ることはおろか、食事の中に毛が入ることを防ぐことすら困難を極めます。
さらに、彼らはもともとソリ引きやトナカイの放牧に従事していた生粋の作業犬です。十分な運動と刺激が与えられない場合、強いストレスから室内の壁紙や木製家具、ソファを噛み砕くといった破壊行動に発展します。現場取材に応じたドッグトレーナーは、「『ぬいぐるみのようにおとなしい犬だと思っていた』と語る飼い主が後を絶ちません。サモエドは中身がアスリートそのものである事実を見落としています」と警鐘を鳴らします。