なぜ同じスプーン1杯でこれほどまでに重さが異なるのでしょうか。その根本的な理由は、純ココアとミルクココアの重さの違いの理由である「原材料の粒子構造と比重の差」にあります。
純ココアは、カカオ豆を発酵・焙煎してすり潰した「カカオマス」から、油分であるココアバターを適度に圧搾・分離し、残った固形分を微細に粉砕した粉末です。添加物は一切含まれておらず、純粋なカカオ粒子同士の隙間に微細な空気を豊富に抱き込む性質を持っています。その結果、粉末全体の嵩(かさ)が大きくなり、見かけの比重は約0.4〜0.45g/mlと非常に軽く仕上がります。代表的な製品であるバンホーテンピュアココア計量目安においても、大さじすりきり1杯はおよそ5〜6gと案内されています。
対してミルクココアは、純ココアをベースにしながらも、味を調えるために大量のグラニュー糖、上白糖、脱脂粉乳、植物油脂、麦芽エキスなどが配合されています。特に砂糖の結晶はカカオパウダーよりも比重が重く、粉末同士の隙間を埋めるように密にパッキングされます。代表例である森永ミルクココア大さじ換算のデータを見ても、大さじ1杯ですりきり約8〜9g、軽く山盛りにすれば12g近くに達します。物理的に密度の高い結晶が混ざっているからこそ、同一体積でもずっしりとした重さになるわけです。