主要SNSやネット掲示板、知恵袋などに投稿された利用者の生々しい体験談を精査すると、匂い対策に対する明確な二面性が浮き彫りになります。
肯定的な声としては、「毎朝ハッカ油をベランダの溝と手すりに吹き付けるようにしたら、止まるのを嫌がって近隣の電柱へ去っていった」「木酢液を染み込ませたスポンジを室外機の奥に置いたら羽音が止んだ」といった、飛来初期における即効性を称賛する報告が目立ちます。
一方で、悲痛な失敗談も後を絶ちません。「ネットの評判を見て固形忌避剤を4個吊るしたが、1週間後にはその忌避剤の真横で鳩が毛づくろいをしていた」「最初は効いていたが、雨が降るたびに効果が切れ、再散布を怠ったらあっという間にフンまみれになった」という意見が数多く寄せられています。
首都圏で鳥獣被害対策を手掛けるペストコントロール協会の加盟業者は、現場の実態をこう明かします。
「取材現場で最も痛感するのは、『鳩の慣れ(脱感作)』の速さです。鳩は非常に学習能力が高く、不快な匂いがしても『ここに危害を加える天敵は現れない』『命に別条はない』と学習してしまうと、わずか数日で匂いを無視して侵入してきます。特に春から夏にかけての繁殖期は、卵を守る親鳥の本能が匂いの不快感を完全に凌駕します」
鳩が来なくなる根本的な理由は、「ここは不快な場所だ」と認識させることだけでなく、「ここは物理的に侵入できず、安全に滞在できない空間だ」と悟らせることにあります。匂い対策はあくまで敵の警戒心を煽る先制攻撃であり、防衛の決定打ではないという現実を直視しなければなりません。