食洗機を使っているにもかかわらず汚れ残りが起きる背景には、汚れの性質と洗剤の化学的アプローチのミスマッチが存在します。食器の汚れは大きく分けて「酸性の油汚れ・タンパク質」と「アルカリ性の水垢・カルシウム斑点」の2種類に大別されます。
ギトギトした動物性油脂やこびりついた卵汚れ、カレーの着色汚れを分解するには、弱アルカリ性洗剤に含まれるアルカリ剤や漂白成分、酵素の働きが不可欠です。中性洗剤を使用している場合、一般的な油汚れは落ちても、固まった油脂や茶渋を完全に分解しきれず、薄い油膜となって食器表面に残留してしまいます。
一方で、グラスのフチや庫内のステンレス壁面に付着する「白いリング状の汚れ」は、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が乾燥して結晶化した水垢です。水垢はアルカリ性の物質であるため、弱アルカリ性の粉末洗剤では中和できず、むしろ蓄積を助長してしまうことがあります。この白い水垢を落とすには、キレート剤(金属封鎖剤)を高濃度配合した洗剤や、クエン酸成分を含む弱酸性〜中性の液体洗剤による定期的な洗浄が効果的です。