伊藤英明の名を日本中に轟かせた金字塔といえば、2004年に幕を開けた映画・ドラマ『海猿』シリーズです。海上保安庁の潜水士・仙崎大輔役を演じるにあたり、彼は撮影前の数ヶ月間にわたって過酷な潜水訓練と徹底したウエイトトレーニングを敢行。共演者たちと共に実在の潜水士さながらの肉体を作り上げました。
身長183cmのフレームに乗せられた分厚い大胸筋、研ぎ澄まされた広背筋、そして日焼けした精悍な表情は、観客の度肝を抜きました。当時の制作発表記者会見で関係者が「CGに頼らない本物の肉体美を求めた」と語った通り、極限状態のレスキューシーンを説得力あるものにしたのは、彼のフィジカルそのものでした。
この『海猿』シリーズ(2004年〜2012年)の成功により、伊藤英明は興行収入数百億円規模を叩き出す国民的ドル箱スターへと昇り詰めます。ドラマ代表作として語り継がれる『救命病棟24時』や『白い巨塔』の柳原医局員役で見せた繊細な青年の脆さと、『海猿』で見せた鋼の逞しさ——この二面性のギャップこそが、当時のファンを熱狂させた本質でした。