高岡市の自宅近くから氷見沖に至る経路についても、当初は「なぜそんな遠くまで運ばれたのか」という疑問が呈されました。しかし、富山湾の海底地形と沿岸流を検証すると、自然の力による漂流ルートが浮き彫りになります。雨晴海岸 漂流 メカニズムは、富山湾特有のすり鉢状の海底地形と密接に関わっています。
高岡市吉久周辺を流れる河川や水路の水は、最終的に小矢部川や庄川の河口を通じて富山湾へと注ぎ込みます。失踪当時、大雨警報下で大量の濁流が海へと押し出されており、河口から湾内へと極めて強い流出流が発生していました。
富山湾に入った漂流物は、湾内を反時計回りに循環する沿岸流や、沖合を北上する対馬暖流の分流の影響を受けます。特に高岡市伏木や雨晴海岸の沿岸沿いは、南西からの風と潮流によって氷見市沖へと向かう潮の流れが形成されやすい海域です。水難学会などの専門家による漂流シミュレーションでも、高岡の河口から流出した浮遊物が雨晴海岸沿いを北上し、氷見沖へと流されるパターンは極めて典型的な航跡として裏付けられています。