発言の真意を理解するには、当時の与党が置かれていた過酷な情勢を見つめ直す必要がある。与野党の勢力が逆転したねじれ国会の中で、自由民主党は法案の成立すらままならない極限状態の舵取りを迫られていた。政策の停滞と連日のメディアによる批判の嵐が、政権の体力を削ぎ落としていった。
福田内閣の退陣後、政権のバトンを受け取った麻生太郎氏の時代へと至る流れは、まさに平成政治の大きな曲がり角であった。時代の波に飲み込まれながらも、自らの引き際を自ら決断した福田氏の佇まいは、政治の果たすべき役割についての議論をいまなお投げかけ続けている。