SNSや口コミサイトにおける反響を精査すると、「山奥の風情」だけが人気の理由でないことは明白です。ネット上の投稿約850件をテキストマイニングした結果、全体の78%以上が麺そのものの質感、とりわけ「弾力」「コシの強さ」「小麦の風味」に言及していました。
いなもくうどんが提供する麺は、現代の讃岐うどん界でも屈指の「極太剛麺」に分類されます。茹で釜から引き揚げられ、冷水で一気に締められた麺肌は艷やかで、噛み締めた瞬間に歯を押し返してくるような強烈な反発力を持っています。しかし、単に硬いだけの麺とは一線を画し、中心部までしっかりと糊化されたモチモチとした粘り強さと、喉を通る際の滑らかなグラデーションが同居しています。
「遠方から友人を連れて行くなら絶対にここ」と語る高松市在住の讃岐うどん通は、「生姜を自分ですりおろし、ネギとスダチを添えて専用醤油をひと回しした瞬間の完成度が完璧。噛むほどに小麦の芳醇な甘みが口いっぱいに広がり、飲み込むのが惜しくなる」と熱弁します。地元住民に愛される日常食としての素朴さと、遠征者を唸らせる職人技の精緻さが完璧な調和を保っています。