かつての「速さ」だけでは、世界の高さに対抗できない。それが近年の教訓だった。新監督が打ち出したのは、単なるテンポの速さではなく、コートの横幅と奥行きをフルに使った「立体的な」スピードだ。バックアタックを囮にした時間差攻撃や、ミドルブロッカーの変則的な走り込みが相手のブロックを翻弄する。
この戦術の肝は、スパイカー全員が常に攻撃の選択肢に入っていること。誰が打ってくるか分からない状況を作り出すことで、相手ブロックの反応をコンマ数秒遅らせる。このわずかなズレが、日本の得点力を劇的に引き上げているのだ。