未来島エッグヘッドを舞台にした物語は、いよいよ引き返せない領域へと突入した。長年ベールに包まれていたDr.ベガパンクの頭脳と、世界政府がひた隠しにしてきた歴史の闇が、かつてない密度で衝突している。緻密に張り巡らされた伏線が次々と音を立てて回収されていく様は、長年の読者であればあるほど鳥肌を禁じ得ないはずだ。
とりわけ最新エピソードで描かれたのは、単なる善悪の対決ではない。知性と権威、自由と抑圧がぶつかり合う重厚な群像劇だ。科学がもたらす希望と、それを兵器へと変貌させる権力側の冷酷さ。尾田栄一郎が描く寓話的なメッセージは、現代社会の歪みすら鋭く射抜いている。