先斗町いづもやの歴史は、出雲阿国の歌舞伎発祥の地にちなんで名付けられた伝統に始まります。昭和から平成にかけて、四条大橋を渡る人々に香ばしい匂いを届けていたのが名物の「うなぎ蒲焼」と、京料理を手頃な価格で味わえる大衆割烹としてのスタイルでした。
特に5月から9月にかけて鴨川に張り出す「鴨川納涼床」は、京都随一の収容力を誇り、格式高いイメージの強かった花街・先斗町において、観光客や家族連れでも気軽に川床体験ができる貴重な名店として絶大な評判を獲得していました。夕涼みをしながら川風を感じ、うな重や会席に舌鼓を打った記憶は、今も多くの人々の心に深く刻まれています。