ネット上のファンコミュニティやSNSにおけるリアルな反響を追うと、2人の関係性に対する熱量は年々成熟を見せています。
「フェスで遠くからステージを見たとき、一瞬どっちかわからなくなった」「あいみょんが歌うクリープハイプの曲を聴いて、兄妹と言われる理由が腑に落ちた」といったビジュアルへの言及から、徐々に表現者としての共鳴を讃える声へとシフトしていきました。
この2人の結びつきを語る上で欠かせない歴史的一幕が、2018年にリリースされたFM802の春のキャンペーンソング『栞』です。
クリープハイプの尾崎世界観が作詞・作曲を手掛け、FM802とTSUTAYAのコラボレーションユニット「Radio Bestsellers」のために書き下ろされたこの名曲。参加ボーカリストには、あいみょんをはじめ、片平里菜、GEN(04 Limited Sazabys)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)、スガ シカオという錚々たる顔ぶれが集結しました。
楽曲の中で、あいみょんが担当した歌唱パートが流れた瞬間、音楽ファンの間に走った衝撃は今なお語り草となっています。尾崎世界観が紡ぎ出した繊細で切ないメロディと歌詞を、あいみょんは持ち前の瑞々しさと哀愁を帯びた声で見事に昇華。尾崎自身もラジオ番組や雑誌の対談において、あいみょんの歌声が持つ圧倒的な説得力と表現力に深い賛辞を惜しみませんでした。
互いのワンマンライブに足を運び合ったり、メディアの対談企画でクリエイターとしての苦悩や言葉への偏愛を赤裸々に語り合ったりする2人。ファンが目撃してきたのは、薄っぺらい営業用の仲良しアピールではなく、「同じ痛みを言葉にできる同業者同士の魂の共鳴」だったのです。