映画公開時および近年の配信プラットフォームにおける読者・視聴者の反応を検証すると、評価の中心にあるのは主演・松たか子の圧倒的な演技力に対する賛辞です。清純派や正統派ヒロインの印象が強かった彼女が、冒頭30分間にわたり生徒たちの私語や牛乳パックの音を背景に淡々と娘の死を語り続けるシーケンスは、「日本映画史屈指の導入部」として今なお語り継がれています。
SNSや大手映画レビューサイト(Filmarksや映画.com等)における視聴者の生の声からは、本作の持つ特殊な中毒性が浮き彫りになります。
「善人が一人も出てこないのに、画面から1秒も目が離せない」「松たか子の抑揚のない声が、怒号よりも遥かに恐ろしい」「胸糞悪い後味なのに、復讐が完了した瞬間に不謹慎なカタルシスを覚えてしまう自分が怖い」といった声が数多く見受けられます。
読書メーターや文芸コミュニティの検証においても、湊かなえのデビュー作にして最高傑作に挙げる読者が多く、「登場人物全員が自分勝手な正義を振りかざしている点が、現実の人間の醜悪さを的確に突いている」という分析が定着しています。嫌悪感を抱かせながらもページをめくる手を止めさせないリーダビリティこそが、本作がイヤミス界の頂点に立ち続ける理由です。