美しい着姿を作る工程は、長襦袢に袖を通す前の「下準備」からすでに始まっています。特に衿芯の挿入方法と体型補正の精度が、その後の仕上がりを左右します。
1. 衿芯の選び方と長襦袢衿芯の入れ方の手順
衿芯にはストレート型や船底型(カーブ型)、メッシュ素材やプラスチック製など多様な種類があります。初心者には、自然なカーブを描きやすいやや硬めの船底型ポリエチレン衿芯が適しています。
入れる際のポイントは、長襦袢の掛け衿の「内側(肌側)」から差し込むことです。衿芯にカーブがついている場合は、弓なりに反った外側のカーブが首筋に沿う向きで挿入します。衿の中心と背中心が寸分違わず合致しているかを確認し、左右の余りが均等になるよう微調整を行います。この位置がズレていると、左右非対称のいびつな襟元になるため注意が必要です。
2. 鎖骨と鳩尾をフラットにする長襦袢補正タオル巻き方
和装の理想体型は「なだらかな円筒形」です。バストが大きい人は和装ブラジャーで高さを抑えてなだらかに整え、痩せ型の人は薄手のフェイスタオルを用いて補正を行います。
タオルの巻き方は、縦半分に折ったフェイスタオルを鎖骨の窪みに当て、V字を描くように胸元を覆うのが基本です。さらにウエストのくびれ部分にタオルを1〜2枚巻き付け、鳩尾(みぞおち)から腰骨にかけての段差を埋めます。このひと手間で長襦袢の生地が肌着の上で滑らなくなり、紐を過剰に強く締め付けなくても襟元がピタリと固定されます。
3. 裄丈と身丈の合わせ方で失敗を防ぐ
着物と長襦袢のサイズ不一致は、袖口からの襦袢の飛び出しや裾のもたつきを招きます。裄丈(ゆきたけ)は着物より約0.5cm〜1cm短く、袖丈は着物より約0.5cm〜1cm短めに合わせるのが鉄則です。身丈(みたけ)に関しては、足のくるぶし上付近(床から約7〜10cm上)に裾がくるよう設定すると、着物を重ねた際に裾から襦袢が覗く事故を完全に防止できます。