スタインバーグ氏らMLB公式記録員をはじめ、日米の球界関係者が口を揃える難関が「野選、失策、安打の線引き」です。これらは打者の成績や投手の自責点に直結するため、記録員の冷静な判断基準が求められます。
最大の争点となる失策との違いは、「身体的ミスか、状況判断の選択か」にあります。打者の打球をファンブルしたり、暴投して走者を生かしたりした場合は「失策(エラー)」となります。一方で、野手が完璧な捕球と狂いのない送球を行ったものの、走者の足が勝って間一髪セーフとなった場合は、肉体的なミスが存在しないためエラーにはなりません。守備側の「あの塁でアウトを取る」という判断の選択が実を結ばなかった結果、野選として整理されます。
また、ヒットとの違いも極めてシビアです。もし野手が一塁へ送球していたとしても打者走者の俊足に負けてセーフになっていたと判断される場合、二塁や本塁へ投げてセーフになったとしてもフィールダースチョイスではなく「内野安打」と認定されます。つまり、「普通に一塁へ投げていれば確実に打者をアウトにできた」という前提が成立して初めて野選が成立するのです。