実際に神奈川県動物愛護センターを通じて保護犬・保護猫を迎えた家族、そして手続きの過程で審査を通過できなかった人々の証言を精査すると、評価は真っ二つに分かれます。
里親となった30代の共働き夫婦は次のように語ります。
「『共働きだから落とされるのではないか』と不安でしたが、留守番時間に対する配慮や、夫婦双方の在宅勤務シフト、体調不良時の動物病院への搬送体制を論理的に説明したところ、非常に親身に相談に乗ってもらえました。引き渡し前には犬の警戒心の強さや過去のトラウマまで包み隠さず共有してくれたため、迎えた後もトラブルなく信頼関係を築けています」
一方で、60代前半の単身男性は憤りを隠せません。
「『健康状態も経済力も問題ない』と主張したが、後見人を立てられないという理由で断られた。自分にとっては家族を迎えるつもりだったのに、冷たいマニュアル対応をされたように感じた」
口コミサイトやSNSでの反響を分析すると、不満の多くは「審査員の態度が威圧的だった」「プライベートな質問が多くて不快だった」というコミュニケーションギャップに起因しています。行政職員は公僕として、感情論ではなく「客観的なリスク管理」を優先せざるを得ません。この温度差が、ネット上での「敷居が高すぎる」という風評を生み出す温床となっています。