回転寿司業界の最新市場データを紐解くと、業界構造は明確な二極化が進んでいます。帝国データバンク等の外食産業動向調査や各社決算資料によれば、市場全体のパイは堅調に推移しているものの、客数増加の勢いにはチェーン間で明確な明暗が分かれ始めました。回転寿司チェーン売上ランキングにおいて、業界の牽引役である「スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)」はグループ連結売上高でトップを独走しており、それを「くら寿司」「はま寿司(ゼンショーホールディングス)」が猛追する構図は揺らいでいません。
しかし、規模の拡大と店舗体験の質が完全に一致しているわけではありません。業界関係者の証言によると、都市型店舗と郊外型店舗での価格差設定や度重なる価格改定を経て、ライト層の足が遠のく現象が一部で見受けられます。これに対して、着実に店舗網を広げて存在感を増しているのが「魚べい」を運営する元気寿司グループ、そして大胆なブランド再生を図るコロワイド傘下の「かっぱ寿司」です。
消費者が寿司に求める要素は「圧倒的な安さ」から「支払った対価に見合う確実な満足感」へと変化しました。店舗数や売上高の多さだけで店を選ぶ時代は終わり、各社がどのような思想で商品と店舗空間を設計しているかを見極めることが、失敗しない店選びの前提条件となっています。