今日における両者のイメージ形成には、日本のサブカルチャーが果たした役割が極めて大きい。ゼロ年代以降、日本のアニメ・マンガ産業において「ヤンデレ」は画期的なキャラクター類型として定着し、数多のヒット作を牽引してきた。
従来の「ツンデレ」が反発から好意へのグラデーションを楽しんでいたのに対し、ヤンデレは好意そのものが狂気に直結するという強烈な劇薬だった。KADOKAWAをはじめとする主要パブリッシャーは、この危険な魅力を湛えた作品を次々と世に送り出し、ファン層を熱狂させた。日常の裏に潜む歪んだ愛情劇は、平穏なフィクションに退屈していた読者の心を瞬く間に鷲掴みにしたのである。