高島忠夫といえば、映画『キングコング対ゴジラ』をはじめとする東宝特撮映画やミュージカルで魅せた堂々たる体躯と、『クイズ・ドレミファドン!』の司会で見せた「イエーイ!」という陽気なキャラクターで親しまれた国民的エンターテイナーである。だが、その底抜けに明るい笑顔の裏側には、常に深いトラウマの影が付きまとっていた。
晩年に至り、高島は重度のうつ病やパーキンソン病との長期にわたる闘病生活に入った。長男を失った深い精神的痛手は、過密な芸能活動の疲弊とともに、長い時間をかけて心身を蝕んでいたのかもしれない。夫が病魔に伏した際、献身的に介護を続けた寿美花代の姿は、悲劇を共に耐え抜いた夫婦の揺るぎない絆の深さを物語っていた。