なぜ入念にお手入れをしているつもりでも、脇の皮膚トラブルは悪化してしまうのでしょうか。皮膚構造の観点から紐解くと、そこには「良かれと思って行っている日常習慣」が引き起こす皮肉なメカニズムが存在します。
まず、女性の脇の黒ずみ原因として圧倒的多数を占めるのが、カミソリによる深剃りや毛抜きによる牽引刺激です。脇の角質層はわずか0.02mm程度と非常に薄く、刃が直接触れるたびに微細な傷が生じます。肌は外部刺激から身を守る防御反応としてメラノサイトを活性化させ、メラニン色素を過剰生成します。これがターンオーバーの乱れと合わさることで、肌に色が沈着する脇の色素沈着へと直結するのです。
さらに、毛抜きで無理に引き抜く行為は、毛包周辺の組織を破壊し、毛穴が赤く盛り上がる「毛嚢炎(もうのうえん)」や、皮膚の内側に毛が埋もれてしまう「埋没毛」を引き起こします。これが、多くの女性を悩ませる脇のブツブツの正体です。
一方、ニオイに関しては、アポクリン汗腺から分泌される皮脂やタンパク質を含んだ汗が、皮膚表面の常在菌(コリネバクテリウム等)によって分解されることで発生します。特に女性は、衣類の締め付けによるムレやホルモンバランスの変動、ストレスによってアポクリン汗腺の働きが活発化しやすく、自己処理による炎症が皮膚常在菌のバランスを崩してニオイを強めてしまう悪循環も見受けられます。