自動車におけるデイライトの歴史は、日照時間が短く霧の多い北欧や欧州諸国から始まりました。欧州連合(EU)では2011年以降、すべての新型乗用車へのデイライト装着が義務化されており、その絶大なデイライト事故防止効果が各国で実証されてきました。日本国内でも2016年10月の保安基準改正によって国際基準(UN-ECE R87)が導入され、昼間走行灯としての正式な法的位置付けが確立されました。
国土交通省や交通事故総合分析センター(ITARDA)の調査データによると、昼間点灯を行うことで自車の存在が遠方からでも直感的に認識され、特に「見落とし」に起因する重大事故が抑制されることが明らかになっています。歩行者や自転車、右折待ちの対向車から見た被視認性が劇的に向上するため、薄暮時や直射日光による逆光下での出会い頭事故・右直事故の削減に直結している点が、世界的なデイライト義務化理由の根幹です。
かつては「昼間にライトを点けているとバッテリーが上がる」「消し忘れではないか」と周囲から誤解されるケースもありましたが、省電力・高輝度なLED技術の進化によって消費電力の問題は完全に克服され、現在では安全思想の象徴となっています。