費用を惜しんで虫歯を我慢し続けると、一時的に激痛が消える瞬間が訪れます。しかし、それは治癒したのではなく「歯の神経(歯髄)が完全に壊死した」サインに過ぎません。神経が死んだ後、病原菌は根の先端から顎の骨へと侵入を続け、やがて顔全体が変形するほどの腫れを引き起こします。
虫歯放置の危険性と現在の医学的見地から警鐘を鳴らすと、細菌が血管内に侵入して全身を巡る「菌血症」から、敗血症や感染性心内膜炎、顎骨骨髄炎、頸部蜂窩織炎といった致死性の高い全身疾患へ進展するケースが毎年のように報告されています。初期の虫歯であれば数千円で済んだ治療費が、入院加療や外科手術が必要となれば数十万円単位へ跳ね上がり、就労不能による収入断絶という二重の破滅をもたらします。
痛みが限界に達し、どうしても即座に受診できない夜間などの非常事態には、適切な虫歯の激痛を抑える応急処置を施す必要があります。患部を頬の外側から冷やした濡れタオルや冷却シートで冷やし、常温の水やぬるま湯で口腔内の食べかすを優しく洗い流すことが基本です。市販のロキソプロフェンやアセトアミノフェン系鎮痛薬を規定量服用するのも一時しのぎとしては有効です。ただし、患部を直接温めたり、アルコールを含ませたり、患部を指で強く触る行為は炎症を急速に悪化させるため絶対に避けてください。