行動経済学の観点から見ると、太陽光発電で後悔する人の心理には、電気代高騰への過度な恐怖から生じる「損失回避バイアス」と、営業マンの都合のよい話を鵜呑みにしてしまう「確証バイアス」が色濃く働いています。「これ以上電気代が上がったら困る」という焦燥感に付け込まれ、200万円を超える莫大な設備投資のリスクを過小評価してしまうのです。一度高額な契約を結んでしまうと、自分の判断が間違っていたと思いたくないがために追加投資(不要な蓄電池の追加など)を重ねる「サンクコスト効果(埋没費用の罠)」に嵌まる例も少なくありません。
情報の大海に惑わされず、冷静に損益分岐点を引き直したとき、導入すべき人と見送るべき人の境界線は極めて明瞭になります。
【今すぐ太陽光発電を導入すべき人】
・南向きを中心とした広く平らな屋根があり、日照を遮る遮蔽物が周囲にない。
・在宅勤務やペットの飼育、育児などで、昼間の電力消費量が恒常的に多い世帯。
・オール電化住宅に居住しており、昼間にエコキュートの湯沸かしをシフトできる。
・自治体の手厚い補助金受給要件を満たしており、適正価格(28万円/kW以下)で相見積もりを取れる。
・災害時の非常用電源確保を重要視し、停電時の安心感に一定のコストを払う意思がある。
【太陽光発電を絶対にやめておくべき人】
・訪問販売の営業マンから「今日契約すれば大幅値引き」「実質ゼロ円で付けられる」と勧められている。
・屋根が北向き、もしくは東・西に細分化されており、搭載容量が3kW未満にとどまる。
・昼間は家族全員が不在で電気をほとんど使わず、売電収入だけを当てにしている。
・築15年以上の住宅で、屋根の点検・塗装メンテナンスを一度も行っていない。
・10〜15年後のパワコン交換費用(20万〜40万円)や維持管理費を工面する貯蓄の余裕がない。