学校を語るうえで避けて通れないのが、長年にわたり司法と行政の舞台で争われてきた神戸朝鮮初中級学校の補助金問題です。発端は、民主党政権下で導入された「高校授業料無償化(高等学校等就学支援金制度)」からの朝鮮学校除外でした。国が示した朝鮮学校 無償化除外の理由は、規程ハ号の削除に基づき、「朝鮮総連(在日本朝鮮人総聯合会)との密接な関係が疑われ、教育基本法第16条が禁じる『不当な支配』に服していないと判断できない」という点に集約されます。
この国の判断に呼応するように、兵庫県や神戸市といった自治体でも、長年交付されてきた私立外国人学校教育振興補助金の見直しや全額停止が相次ぎました。これを不服として、学校法人兵庫朝鮮学園は県を相手取り、行政処分の取り消しや損害賠償を求める兵庫朝鮮学園 補助金裁判を提起しました。
法廷において学園側は、「補助金の停止は憲法第14条の法の下の平等に反し、民族教育を受ける権利を侵害する差別的措置である」と主張。一方の行政側は、「補助金の交付は首長の政策的裁量の範囲内であり、北朝鮮をめぐる国際情勢や拉致問題に対する県民感情、適正な使途に対する疑念を踏まえた判断」として全面的に対立しました。最終的に最高裁判所を含む司法判断は行政側の広範な裁量権を追認し、学園側の請求を棄却する判決が確定しています。
司法の場での敗訴が確定した現在も、現場の教職員や支援者からは「国家間の外交対立のしわ寄せを、なぜ地域で暮らす罪のない子どもたちが背負わされなければならないのか」という痛切な声が上がり続けています。