自動車を手放すルートは大きく分けて「ディーラー下取り」と「買取専門店への売却」の2系統が存在します。一般財団法人日本自動車査定協会の基準や流通構造を分析すると、この2者には価格決定メカニズムにおいて決定的な乖離があります。
ディーラー下取りの主目的は「新車の販売促進」です。査定額はメーカーごとに設定された統一の下取り基本価格表に準拠しており、中古車市場のリアルタイムな需要急増(海外輸出需要や特定のグレード人気など)が価格へダイレクトに反映されにくい構造になっています。また、新車購入時の値引き枠を拡大して見せるために、下取り額が調整弁として使われるケースも散見されます。
一方、買取専門店は「全国オートオークション相場のリアルタイムデータ」を基準に値付けを行います。中古車は在庫回転率が高く、買い取った車両を自社店舗でダイレクト販売する、あるいは業者オークションへ即座に流すため、余計な在庫管理コストを削って限界まで買取額を競り上げることが可能です。この構造の違いこそが、同一の車両でありながら買取額に数十万円の差がつく最大の根拠です。