航空機メーカーのDNAは、実際にスバル車を所有する熱狂的ファン(通称・スバリスト)や整備現場において、どのように体感されているのでしょうか。主要なSNSコミュニティやオーナー調査、現場メカニックの証言を検証すると、極めて興味深い共通項が浮かび上がってきます。
大手クチコミサイトやSNSのオーナーコミュニティでは、「豪雪地帯の峠道で他のクルマがスタックする中、フォレスターだけが何事もなかったかのように坂を登り切った」「長距離を運転しても肩こりや眼の疲労が他車より明らかに少ない」といった声が圧倒的多数を占めます。特筆すべきは、インテリアの華美さや燃費の良さではなく、「視界の抜けの良さ」「悪天候下での操縦安定性」「ドアを閉めたときの剛性感」という、走りの基礎体力に対する言及が突出している点です。
あるディーラー整備士は取材に対し、次のように明かしています。「スバルのエンジンルームを開けると、部品の配置が合理的すぎて驚かされます。配線の取り回しやボルトの留め方に至るまで、極限状態での整備性を想定した航空機整備の手法が色濃く残っている。また、衝突安全試験のデータを見ても、エンジンがキャビン下に滑り落ちて乗員を守る構造など、パイロットの生還率を最優先した軍用機の設計思想そのものです」。
一方で、近年のユーザーからは「車内インフォテインメントの洗練度や内装の高級感では欧州プレミアム勢に見劣りする」「街乗りでの実燃費が競合ハイブリッド車に及ばない」といった冷徹な指摘も少なくありません。利便性や装飾よりも、走る・曲がる・止まるという物理的性能を愚直に突き詰める姿勢は、まさに職人気質の航空機技術者集団そのものであり、それが独自の熱狂を生むと同時に、一般的な大衆層とのギャップを生む要因にもなっています。