臨床睡眠医学において、ショートスリーパーの睡眠時間の定義は明確に定められています。米国睡眠医学会(AASM)や国際睡眠障害分類(ICSD-3)の基準によると、成人における一般的な目安は「日常的に6時間未満(多くは5時間以下)の睡眠でありながら、日中に過度な眠気や認知機能の低下を一切示さず、心身ともに健康を維持できている状態」を指します。
単に睡眠時間が短いだけでは条件を満たしません。医学的なショートスリーパーの診断基準と詳細まとめを確認すると、以下の4要件を恒常的に満たしている必要があります。
- 目覚まし時計に頼らず、毎朝決まった短時間(自然覚醒で4〜5時間程度)で爽快に起きられる
- 週末や長期休暇になっても「寝だめ」を一切必要とせず、起床リズムが狂わない
- 日中にカフェインやエナジードリンクを過剰摂取しなくても強い眠気に襲われない
- 注意持続力、記憶力、感情制御、免疫機能などに臨床的な低下が認められない
気になるショートスリーパーの日本人における存在割合ですが、国内外の大規模疫学データによると全人口のわずか1%未満(推計0.5%前後)と極めて稀少です。「自分は4時間睡眠で平気だ」と語る人の大半は、後述する慢性的な睡眠不足に適応したと思い込んでいるだけの「自称」に過ぎないのが実態です。