音楽現場の取材やレコーディングエンジニアの証言から浮かび上がるのは、「リードギターの音作りで最も大切なのは音量ではなく帯域(イコライジング)である」という冷徹な事実です。
アマチュアバンドのライブ現場で頻繁に見られる失敗が、「ソロを目立たせたいからとアンプのマスターボリュームや歪みのゲインを極端に上げる」という行為です。これを行うと、低域が出すぎてベースの音をマスキングしてしまったり、高域が耳に刺さる不快なノイズと化したりして、アンサンブル全体が崩壊します。
著名なスタジオギタリストの手記や特番インタビューでも、以下のような現場の鉄則が語られています。
「ギターソロを前に出すのはボリュームペダルを踏み込むことではない。中音域(ミッドレンジ)を押し出し、ほんの少しディレイをかけることで、ボーカルの邪魔をせず自然に耳元へ届く音像を作るのだ。」
SNSやコミュニティの生の声を見ても、「TS9系やCentaur系のオーバードライブをソロ時のブースターとして踏む」「デジタルプロセッサーで中域を+3dBブーストしたパッチを用意する」といった実用的なセッティングが定番化しています。リードギタリストの機材選びは、単に歪ませるだけでなく「バンドの隙間を縫って抜けてくる音」をいかに作るかが命題となります。