小学校の理科授業や家庭での飼育環境において、カタツムリの繁殖を観察する機会は少なくありません。しかし、現場の生きた観察記録を丹念に追うと、教科書的な説明だけでは見えてこないリアルなドラマが存在します。
飼育下で観察を続ける愛好家の記録によると、「恋矢を刺された側が痛がるように身をよじる」「誤って頭部や殻の縁に深く突き刺さり、数日間恋矢が刺さったまま生活している」といった痛々しいケースが頻繁に確認されます。恋矢は1回の交尾で相手の体内に残ったり脱落したりしますが、体内組織内で約数週間かけて新たな恋矢が再生されます。
また、交尾を終えた個体は著しくエネルギーを消耗し、数日間殻の中に閉じこもって休眠状態に入ることがあります。その後、十分なカルシウム(卵殻形成に必要な成分)と水分を補給した個体は、湿った土の中に頭から潜り込み、1粒ずつ丁寧に真珠のような美しい卵を産み落とします。生まれてくる子カタツムリは、孵化した瞬間から極小の半透明な殻を背負っており、親と同じ姿で自立歩行を始めます。