まずは、童謡『とんぼのめがね』の正確な歌詞全文を確認しましょう。本作は全3番で構成されており、それぞれ異なる時間帯や空の表情を、トンボの「めがね」という比喩を通して鮮やかに描き出しています。
【とんぼのめがね 歌詞全文】
(作詞:額賀誠志 / 作曲:平井康三郎)
1番
とんぼの めがねは
水いろ めがね
青いお空を とんだから
とんだから
2番
とんぼの めがねは
ぴか ぴか めがね
おてんとさまを みてたから
みてたから
3番
とんぼの めがねは
赤いろ めがね
夕焼雲を とんだから
とんだから
この歌詞の根底にある童謡とんぼのめがね意味を深く掘り下げると、子ども特有の直感的な自然観察の視線が浮かび上がってきます。1番の「水いろめがね」は、どこまでも澄み渡る昼前の青空を背景に飛ぶトンボ(主にシオカラトンボなど)の姿を捉えています。2番の「ぴかぴかめがね」は、正午の強い日差し、すなわちおてんとさま(太陽)の光を浴びてキラキラと輝く羽や大きな複眼の反射を表現しています。そして3番の「赤いろめがね」では、日没時の夕焼雲に染まる空を群れ飛ぶアカネ属のトンボ(赤とんぼ)の情景へと見事に着地します。
昆虫の複眼に外界の色彩が映り込み、環境そのものと同化していくという詩的イマジネーションは、子どもたちの「なぜトンボの目はこんな色をしているのだろう?」という素朴な疑問に対する、最も美しく優しい回答といえます。