長年、日本人の多くは「口内炎=ビタミンB2不足や胃腸の疲れ」と思い込んできました。しかし、NHKためしてガッテン放送内容まとめを振り返ると、番組内で提示された臨床データは実に衝撃的なメカニズムを証明していました。一般的な白く丸い潰瘍である「アフタ性口内炎」が発生する真の引き金は、食事中の噛み傷や歯ブラシによる摩擦など、肉眼では見えないレベルの微小な傷に口内の常在細菌が感染することだったのです。
人の口腔内には、健康な状態でも約700種類、数千億匹もの細菌が生息しています。粘膜に傷が生じると、そこに唾液中の細菌(特にレンサ球菌など)が群がり、侵入を試みます。すると体内では異物を排除しようと白血球や免疫細胞が集結し、激しい防御反応が展開されます。この免疫反応の過程で放出される酵素や炎症性物質が、細菌もろとも自分自身の粘膜組織まで破壊し、あの白くえぐれた潰瘍(アフタ)と神経を刺激する激痛を作り出していたわけです。
これがまさに口内炎の原因と細菌感染の真相です。ビタミンB2は傷ついた粘膜の修復をサポートする「材料」にはなりますが、暴走する炎症の火元である「細菌の増殖」を直接消火するわけではありません。傷ができた初期段階でいかに細菌の数を抑え込めるかどうかが、治癒スピードを分ける決定的な分岐点になります。