劇中で強烈な印象を残すバギー型の相棒、RC(ラジコンカー)。そのデザインは、1980年代から90年代にかけて大ヒットしたタミヤなどのホビー用オフロードバギーから強い影響を受けている。鮮やかなウルトラマリンブルーのホイールとグリーンの車体、そして大きなスポイラー。おもちゃらしさを残しつつも、本格的なサスペンションの挙動をリアルに再現した動きは、当時の3Dアニメーション技術の最先端を行くものだった。
一方で、クラシックカー愛好家の間で知られる「ウッディ・ワゴン」との視覚的な対比も興味深い。木目調サイドパネルが特徴的なヴィンテージのステーションワゴンは、かつてアメリカのアーバン・カウボーイやファミリー層の象徴だった。ピクサーの制作者たちは、ウッディの持つレトロな西洋開拓時代のアナログ感と、ハイテクなRCのメカニック感をあえて対立させつつ、見事な化学反応を生み出したのだ。