調査現場で最も神経をすり減らすのが、介護認定調査における家族のプレッシャーです。特に特別養護老人ホーム(特養)への入所基準となる「要介護3」や、区分支給限度額の上限引き上げを強く希望する家族からは、時に激しい要求が突きつけられます。
「このまま要介護1だったら仕事を辞めるしかない」「絶対に要介護4以上に認定してもらわないと困る」といった切迫した訴えは、調査員に重い心理的負荷を与えます。中には、調査員が本人に質問している最中に家族が横から口を挟み、あえてできない様子を過剰に演出させようとする場面も珍しくありません。
また、結果が通知された後に「調査員の聞き取りが不十分だったせいで介護度が下がった」と理不尽に責め立てられるなど、介護認定調査員のクレーム対応は深刻な問題です。判定に不服がある場合、自治体の窓口や介護保険法に基づく要介護度の不服申し立て(介護保険審査会への審査請求)という正当な手続きが存在します。調査員個人が責めを負う筋合いはないものの、直接ぶつけられる怒りの矛先に耐えかねて離職を選ぶ調査員が後を絶ちません。