アニメでは夕方の放送枠に合わせたマイルドな描写が中心ですが、さくらももこ先生の原作漫画やスピンオフ作品には、ちょっぴりビターでシュールなキャラクター裏設定が散りばめられています。
特に読者を惹きつけてやまないのが、永沢くんと藤木くんの関係性です。家が火事になって以来、人間不信と皮肉屋に拍車がかかった永沢くんと、自分の保身を優先しがちな藤木くん。スピンオフ漫画『永沢君』では、中学生になった2人の歪でリアルな友情関係がブラックユーモアたっぷりに描かれました。お互いに毒を吐き合い、欠点を突っつき合いながらも、結局は放課後を一緒に過ごしてしまう腐れ縁は、思春期特有の人間関係を見事に捉えています。
また、お笑い好きでミステリアスな野口さんの兄・富士男(ふじお)のエピソードも強烈です。普段は冷静沈着な野口さんですが、兄の富士男は非常に凶暴かつ短気で、妹に対しても横暴な態度をとる問題児。しかし、そんな富士男が溺愛する恋人「柿絵(かきえ)」の前でだけはデレデレになるというギャップなど、一癖も二癖もある設定が物語に唯一無二の奥行きを与えています。